活版印刷のお道具箱 活字拾いや活字について

ベストセラー『活版印刷三日月堂』
の影響もあってか、最近
活版印刷について、よく聞かれるように
なりました。印刷が深く押される
懐かしい独特の風合いは
好まれる方が多くて、
パピレッタも嬉しく思っています。

こちらが活字です。上下がわかる様に下側に切り込みが入っています。
printing types

今回は『銀河鉄道の夜』のジョバンニが
仕事をしていた『活字拾い』について
書いてみたいと思っています。
活版印刷所のお仕事では
最初に、印刷する原稿の活字
(金属で出来たハンコの様な物で、印刷される部分が
出っ張っている)を
一文字づつ集めて行きます。
これが『活字拾い』です。
それを文選箱という木製のケースに
文字の順番に出来るだけ集めて行きます。

一文字づつ集めるのは慣れるまでとても大変な作業です。文選箱に入った活字たち。

今から考えると気の遠くなる作業ですが
よく使う文字列(例えば時候のご挨拶や
年月など)はあらかじめ、
組み合わせて集めてあるのです。

活字とパピレッタの刻印一筆箋です。

活字を拾う植字工さん達は印刷工の
見習いさん達も多く、まずは
罫拭き(印刷インキがついた罫や活字を
布で拭く仕事)などから
一層懸命、仕事を
憶えていくのでした。。。
今も昔も一つの職業の
プロフェッショナルに成るには
絶え間ない努力の積み重ねが
必要なのでしょう。

パピレッタ拝

コメントを残す